低出生体重児とは?原因とリスクは?妊娠中の食生活を考える

低出生体重児とは?原因とリスクは?妊娠中の食生活を考える

近年、肥満や糖尿病、心臓病などの生活習慣病の多くが、胎児環境に大きく影響を受けることがわかってきています。
実は、子どもの障害の健康は、ママのお腹に宿る前から始まっているのです。
今回は、子どもを迎える胎児の栄養環境や、低出生体重児の原因とリスクについて一緒に考えていければと思います。

小さく産んで大きく育てるは正しい!?

生活習慣病胎児期発症説とは?

『生活習慣病胎児期発症説』という言葉を聞いたことはありますか?
今回のキーワードでもあるこの言葉は、「小さく生まれた赤ちゃん(低出生体重児:2,500g未満)は、将来的に生活習慣病を発症するリスクが高い」ということを意味しています。
この説は、1986年に英国のバーカー教授が発表した説で、当時は見向きもされませんでしたが、今では21世紀最大の医学学説の一つとして注目を集めています。
心臓病や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の多くは、胎児の時の栄養状態、低出生体重によってリスクが高まるのです。

また、出生体重が小さかった女性は、妊娠すると妊娠糖尿病になりやすいこともわかっています。
具体的には、出生体重が2,500g未満であった場合、2,500g〜4,000gだった女性よりも、なんと5倍も妊娠糖尿病になりやすいのです。

これらは、「倹約遺伝子」というものが大きく関わっているようです。
低出生体重はママのお腹の中で飢餓状態に陥ることで、より飢餓に強い体質になって産まれてこようとするのです。
ですが、飽食の時代でもある現代では、この体質は他の子どもたちに比べて肥満になりやすくなってしまうのです。

出生体重の低下と関連がわかっている病気は?

出生体重の低下と関連しているとされている病気は
・ 虚血性心疾患
・ 2型糖尿病
・ 本態性高血圧
・ メタボリックシンドローム
・ 脳梗塞(のうこうそく)
・ 脂質異常症
・ 血液凝固の亢進(こうしん)
・ 神経発達異常
です。

また、はっきりとはわかってはいないが、関連が疑われている病気は
・ 慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)
・ うつ病
・ 統合失調症
・ 行動異常
・ 子宮及び卵巣膿腫(らんそうのうしゅ)
・ 思春期早発症
・ 乳がん
・ 前立腺がん
・ 睾丸がん
などですが、まだわかっていない病気もあります。

赤ちゃんの出生体重が30年前よりも減少

赤ちゃんの出生体重は、ママの栄養状態に深く関係していると言われています。
日本では、20代女性は痩せ型割合が約30%と、世界でも断トツに多く、またカロリー摂取量はここ10年で10%も低下しています。
このことも関係しているのか、日本の赤ちゃんの出生体重は年々低下して、約30年で180gも減少しているのです。

◯日本人男女の平均出生体重
30年前:3,200g → 2009年:3,020g

また、低出生体重児の割合も約10人に1人になっています。
これは、性の行き過ぎたやせ願望やダイエットが原因ではないかと言われています。

世界の状況は?

◯オランダ:飢餓の冬事件
第二次世界大戦末期に、ナチスドイツがオランダの一部の地域で食料を遮断したことで、妊婦を含めた多くの人たちが飢餓状態に陥りました。
このような状況で産まれた子どもたちは、将来的に脂質異常症、循環器系の疾患、糖尿病が多発しました。

◯米国:心臓疾患
米国で看護師12万人以上にアンケートを行った結果、2,500g未満で産まれた人は標準体重で産まれた人の1.3倍も心臓疾患にかかりやすいことがわかりました。

なぜ生活習慣病になりやすい?

胎児の栄養環境と生活習慣病の関係

私たち大人もダイエットをしていて1日の摂取カロリーを1,000kcal以下に抑えると、体は1,000kcalでも生きていけるように省エネモードの代謝に切り替わります。
ですが、一度省エネモードに切り替わってしまうと、以前のように通常の1,000kcal以上食べ始まると、多くの場合は必要以上に体重が増えてしまいます。
これが「リバウンド」と言われるものです。

実は、母体が低栄養になることで子宮内低栄養状態になると、同じことが胎児にも起こるというのです。
生きのびるために、限られた栄養素を効率的に利用できるように代謝が変化して、倹約遺伝子ができるのです。
この倹約遺伝子は出産後に機能をしはじめ、脂肪がつきやすい体質になってしまいます。
さらには、この体質に「食生活の乱れ」と「運動不足」などの生活習慣がプラスし、糖尿病や肥満を発症しやすくなるのです。

妊娠前の痩せは危険!

妊娠すると、つわりなどによって数ヶ月もまともな食事ができなくなります。
ところが、お腹の赤ちゃんは成長するために多くの栄養を必要とするため、限られた栄養で成長しようとして、そのときに倹約遺伝子が作られるのです。
妊娠してから栄養状態を整えることは難しいのです。

そのためにも、痩せの状態を卒業し、妊娠前にはBMI18.5以上、体脂肪率21%以上を目指してください。
受精をすると受精卵は急激な細胞分裂を繰り返して、7日間で着床が始まります。
この現象は、ママが痩せていようと太っていようと関係なく、同じように細胞分裂は起こります。
まだ女性が妊娠したと気づいていないときの初期の栄養不足も、倹約遺伝子の誕生に大きく影響を与えるため、痩せ状態での妊娠はさけていただきたいです。

どうして赤ちゃんは小さくなる?低出生体重児の原因は?

1. 産前・産後のダイエット

妊娠中は赤ちゃんを育むためにも十分な栄養素の摂取が必要です。
また、出産と育児では体力が必要でし、母乳育児のママは十分な栄養を摂らなくてはなりません。
そのためにも、バランスよくしっかり食べることが大切です。
産後のダイエットは母乳栄養の偏り、ママの乙密度の回復の遅れ、第2子への影響などがありますので、望ましくありません。
食事の悩みについては『妊娠中の食事の悩みに朗報!栄養バランス抜群のマタニティスープとは?』の記事を参考にしてください。

2. 痩せ状態での妊娠

痩せ型の女性は産まれてくる赤ちゃんの体重が小さい傾向があります。
妊娠中の体重増加は、妊娠したときのBMIによって決まりますが、実際に体重が増やせるかどうかはつわりが大きく影響してきます。
そのためにも、妊娠前から適正BMIと適正体脂肪率を保つようにしましょう。

3. 早産

早産とは、出産予定日よりも3週間前に産まれることですが、早産児は出生体重が小さくなります。
現在、日本では300g台で産まれても、医療技術の進歩によって救命することができます。
未熟児障害が残りやすいと言われていますが、1,000gに満たなくても障害が残らない場合もあります。
ですが、妊娠中は無理しないよう気をつけてしっかり検診を受けましょう。

4. 食事量・カロリー不足

妊娠中でも食事量が1,000kcal以下と必要摂取カロリーに満たない妊婦さんもいるようです。
赤ちゃんのためにもカロリーを敵視しないで、「カロリーを摂る=太る」という思い込みは卒業して、適正のカロリーを摂るようにしましょう。

5. 妊娠への知識不足

子どもの健康を決める重要な時期は「受精した時点」「妊娠中」「授乳中」の3つがあります。
妊娠してから摂るべき栄養について考えるのでは間に合わない可能性があります。
また、出産後は初期の3ヶ月が極めて重要で、この時期に生活習慣病のリスクをいかに軽減するかが大切になります。

出生率と低出生体重児の関係は?


この40年間で出生数は年々低下して、2016年にはついに100万人を割り97万6979人、出生率も1.44と低下しました。
ですが、低出生体重児の出生率は逆に増え続けています。

出生体重が低下する原因の一つとしては、予定日より早く産まれてくる早産がありますが、それ以外の原因として「高齢出産」「痩せ過ぎ」の2つがあります。
日本の低出生体重児を出産する割合は、45歳以上では19.6%、40〜44歳は13.1%、35〜39歳は11.7%。
出産の高齢化は、不妊症だけではなく出生体重にも影響するのです。

リスクを回避するには

例え準備をしっかりしていても早産や流産、低出生体重児のリスクを100%回避することはできません。
けれど、欠食や誤ったダイエットをなくし食生活を見直すなどの改善の余地はたくさんあります。
食生活以外にも、月経周期の遅れや無月経をそのままにしていませんか?(詳しくは『妊娠のためにも女性ホルモンを知っておこう!妊娠や月経、生理との関係は?』を参考にしてください)

まとめ


ママの栄養状態が赤ちゃんの体型や健康に大きく影響することがわかった今だからこそ、これから産まれてくる新しい命の健康を一緒に考えてください。
妊婦さんだけでなく、10代のうちからこうした知識を身につけておくことも大切です。
女性にとって妊娠について学ぶのに早すぎることは決してありませんよ。

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Yuko

Mama writer
2人の男の子のママです。まだまだ戸惑う育児、時間に追われる家事ですが、夫婦で協力して忙しいながらも今しか味わえない日々を楽しめるようにしています。記憶に残るライターとして皆さまにお届けしていきます。

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